紅茶の消費量が世界一多いともいわれるドイツの東フリースラント。その独特の紅茶文化とは?日本で人気沸騰中のキャンディス(氷砂糖)を使ったおいしい紅茶の飲み方をお伝えします。
ユニークな作法も楽しく、癒し効果抜群。ほっと一息つきたい時に、ぜひ試してみてくださいね。
北ドイツは紅茶の消費量世界一!?
ドイツの飲みものといえばビールが有名ですが、じつはビールの消費量をうわまわるほどよく飲まれているのがコーヒー。ドイツでは朝食時はもちろんのこと、ランチの後や午後のお茶の時間など一日中コーヒーを楽しむコーヒー党が多く、街にもたくさんのカフェやコーヒーショップがあります。
そんなコーヒー大国ドイツで、例外として紅茶党が多く住む地域が、オストフリースラント(東フリジア)地方。なんと一人当たりの紅茶の消費量が世界一多いともいわれる地域なんです。
今回は知る人ぞ知る北ドイツの紅茶文化と、キャンディスを使ったおいしい紅茶の飲み方を紹介します。
東フリースラントとは?
フリースラントとは、北部ドイツとオランダにまたがる北海沿岸の地方。鎖状に浮かぶフリジア諸島やユネスコ世界遺産にも登録されている世界最大の干潟、ワッデン海にも隣接し、様々な動植物が生育する風光明媚なエリアです。
オランダに隣接する東フリースラント(オストフリースラント)では、17世紀にオランダ東インド会社によってお茶が伝えられた歴史があり、古くから独特の紅茶文化が根付いているそうです。
紅茶にはキャンディス!が北ドイツの伝統
東フリースラント地方では、紅茶に氷砂糖とクリームを入れて飲む伝統があり、オストフリーゼンテーとよばれる、地域独自のブレンドティーも作られています。この紅茶は、インドのアッサムをベースに数種類の茶葉がブレンドされ、色が濃くて力強い味わいが特徴。茶葉専門店はもちろんのこと、スーパーでも手軽にティーバッグを買うことができます。
紅茶に使う氷砂糖は、ドイツ語でカンディス(Kandis)といいます。日本ではキャンディスと表記されるのが一般的なので、ここではキャンディスと呼ばせていただきますね。
一般的なキャンディスは、日本でも見られるような半透明の氷砂糖。この氷砂糖を、シロップやリキュールに漬けた様々なフレーバーのキャンディスを作っているのが、日本で人気沸騰中の「ミヒェルゼン(Michelsen)」です。
お土産におすすめのミヒェルゼンのキャンディス
ミヒェルゼン(L.W.C. Michelsen)は、ハンブルクで1814年創業。旧ドイツ王室も御用達だった高級食材店です。普通の紅茶が何倍もおいしくなる!と話題のキャンディスは、見た目の美しさもあいまって、ここ数年は日本で人気急上昇。いまや本国ドイツよりも有名なのではないでしょうか。
カルディや成城石井などでは、すぐに売り切れて「幻の商品」ともいわれるミヒェルゼンのキャンディス。「ラム」「アールグレイ」「ローズ」などが定番人気ですが、ドイツでは日本で取り扱いのない数十種類ものキャンディスがあるんです。可愛いミニサイズ(写真参照)もあるので、いくつか揃えてその日の気分で楽しみたいですね。
色とりどりのキャンディスはまるで宝石のようで、並べて眺めるだけでもうっとり。贈り物やお土産にするととても喜ばれます。
キャンディスで有名なミヒェルゼンですが、じつはクッキーも絶品なんですよ。極薄に焼かれたサクサクでクリスピーな食感のクッキーは、一度食べたら虜になるおいしさ。
キャンディスとクッキーで、至福のティータイムが楽しめます。
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東フリースラント伝統のティーセレモニー
東フリースラントの町では、キャンディスを使った伝統的なティーセレモニーを体験できるカフェもあります。ふだんはコーヒー党の私も、この作法を知ってから紅茶のおいしさに目覚め、おうちでも楽しむようになりました。
ここで東フリースラント風紅茶の飲み方をご紹介します。ぜひ皆さんもぜひ試してみてください。
ティーバッグの紅茶でもうんとおいしくなって、ゆったり贅沢なティータイムが楽しめますよ。
キャンディスのおいしい使い方
1. カップにキャンディスを入れる。
まず、カップの底にキャンディスを数粒とシロップを入れます。私はだいたいティースプーン1杯くらい入れていますが、量はお好みでどうぞ。
2. 紅茶を注ぎ、音を楽しむ。
次に、カップに濃い目の熱い紅茶を注ぎます。この時に氷砂糖が溶けていくカラカラ~チリチリという音を楽しみます。
普通だと、ここでスプーンでかき混ぜますよね。しかし、オストフリースラント流の茶道では、決してかき混ぜないのがポイント!
3. クリームを加える。
最後に、ティースプーン1杯分~お好みの量の生クリーム(液状)やコーヒーフレッシュをそっと入れます。いったん沈んだ生クリームが、紅茶の表面に浮かび上がって雲のような模様になるのを楽しみます。
この時もついスプーンでかき混ぜたくなりますが、がまん!
混ぜずに、そのまま飲みましょう。
一度に3つの味を楽しめる! キャンディス入り紅茶
最後に溶け残ったキャンディスは、飴ちゃんのようにポリポリ食べるもよし、紅茶を足してもう一度楽しむもよし。
このように、オストフリースラントの紅茶は、氷砂糖とクリームを入れて、最初から最後まで混ぜないで飲むのがポイント。
そうすることで、まずは紅茶そのものの苦みのある味、次に生クリームが混ざったまろやかな味、底に近づくと氷砂糖が溶けて甘みが増した味、と一度に3つの味を楽しむことができるんですね。
おいしいのはもちろんのこと、一連の作法も楽しく、リラックス効果抜群。ちょっと疲れた時や、ほっと一息つきたい夜に、ぜひ試してみてください。
キャンディスの使い方はいろいろ
今回は東フリースラント式の紅茶の作法を紹介しましたが、もちろん、スプーンで混ぜて飲んでもおいしいですよ!
紅茶以外にもキャンディスの使い方はいろいろ。
・コーヒーに加えると専門店のようなフレーバーコーヒーに。
・ホットミルクに「チャイ」キャンディスを入れれば本格的なチャイに。
・ワインやお酒に少したらしてほっとつきたい夜に。
・白湯に入れてシンプルにフレーバーを楽しむ。
・炭酸水に入れると見た目もおしゃれな「飲む宝石」に。
自由に楽しんでくださいね!
おうちでドイツを楽しもう!
まだまだ知られざる、東フリースラントの紅茶文化。いつかぜひ現地を訪れて、カフェで伝統のティーセレモニーを体験してみてください。
それまでは、おうちでキャンディスのティータイムを楽しみながら、ドイツ旅行の想像をふくらませましょう!
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